2009年4月11日土曜日

「スンガリー」パン(富山県氷見市)

・ショッピングモール「ハッピータウン」内にあるパン屋です。
・奥さんとともに菓子パンジャンキーで、富山県内の美味いパン屋には片っ端からいってはまわりの客があきれ、店員がためいきつくほどたくさん買って(袋詰めがメンドーだからね)は、ガフガフ食べているのです。
・昨今は「美味いパン」として、雑誌や新聞に載っている店はだいたいハード系のパンがその主力になっています。
・それに特製の石窯で焼いたとか、国産の小麦、特別なナンチャラ小麦、アレルギーに対応した、東京の老舗で修行したとか、付加価値がついていくわけです。
・ソレに対してまったく批判的な感情はないのです。実際、その付加価値が効果的な場合が多いですし、硬いパンは美味いですから。

「スンガリー」はそういった意味じゃ、「売り」は、ヘンな店名と、マスコットのヘンな描画のパンダくらいです。いわゆる付加的なものはみあたらないし、アピールもあまり見受けられません。

そして、硬いパンがあまりないのです。というか、柔らかいパンばかりでそれが美味しいのです。そこのところがあまりまわりにない特色だと思うのです。

・これが、どうにもこうにも「なぜか」というカンムリを据えたくなるくらい、絶妙なのです。特徴的なパンはあまりないです。商店街のひとつにあるパン屋さん的に、各種菓子パンに、食パンに、ケーキ(あ、正直に書くとこれは普通)が何種かあるだけです。

・でも、たとえば、抹茶パンの、表面にコーティングしてある抹茶チョコ、中のこしあんに、パン、それらの比率がバッチリなんですね。抹茶チョコの硬さとほろ苦さが、なかのこしあんの量とちょうど相まっているんですよ。ともすればこしあんを多くしたり、抹茶チョコのチョコを高いところにしたり、バターをたくさん入れたりって、トゥーマッチになりそうなところをすごくいいところで落とし込んでいます。
・バナナパンの生クリームにバナナをいれた、バナナクレープのクレープをパンにしたものも、ばななは1本を1/4にカットしたものですが、それがベストの量なんですよ。まるごとバナナのようなボリュームとか「バナナ!」って存在感はもちろん薄いですが、トータルで美味しい「バナナパン」になるわけです。このなにげないバランス感覚がすばらしいんだ。

・それぞれの味付けや盛り付けのセンスはいったらなんだけど、スーパー内のパン屋レベルなんだけど、その完成度が異様に高いのです。だから「なぜか」美味しいパン屋なのです。

・ついでなんでもうイッコ正直に書いておくと、応対をしている店員さんも素性はもちろんわかりませんが、パートのおばちゃん然としてます。彼女らが実はパリの有名パン屋で8年修行してきたとかそういうことか? どっちかというと夜はスナックのパートやってますって感じだけどねえ。

・うーむ不思議だ。不思議だか美味いことは事実だ。ただ、まあ魔法が解けるのは硬いパン屋のソレより早い。すなわち、1日おいたらかなりなイキオイで味は落ちる。まあソレは仕方のないことだわなあ。やわらかい食べ物すべてに共通する宿命だわ。

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